静脈内鎮静法
静脈内鎮静法とは?
静脈内鎮静法は、点滴で薬を入れて不安や緊張を抑えながら治療を受けられる方法です。浅い眠りに近い状態になるため、痛みや恐怖を感じにくくなります。
完全に眠る状態ではなく、声かけには反応できる程度の浅い眠りに近い状態になります。身体や精神状態が落ち着き、不安感などを軽減してくれます。
また、治療中の記憶がほとんど残らない点も特徴です。鎮静薬の作用で記憶がぼんやりし、「いつの間にか治療が終わっていた」と感じる患者が多いです。
歯科恐怖症がある患者、嘔吐反射が強い患者、インプラントなど長時間の処置を受ける患者に向いています。緊張がほぐれ、治療がスムーズに進みやすくなります。
全身麻酔・笑気麻酔との違い
静脈内鎮静法は、全身麻酔と比べて意識が残る点が違います。静脈内鎮静法では浅い眠りのような状態で、呼吸も自分で保てます。全身麻酔は意識が完全になくなり、呼吸管理が必要です。
笑気麻酔との違いは、鎮静の深さです。笑気麻酔はガスを吸入する方法で麻酔を効かせ、軽い緊張を和らげる程度で、強い恐怖を持つ患者には不十分な場合があります。静脈内鎮静法は薬が直接血流に入るため、より強い麻酔効果が期待できます。
また、静脈内鎮静法は記憶がほとんど残りませんが、笑気麻酔では治療中の内容を覚えている患者が多いです。治療への苦手意識が強い患者にとって、治療を思い出しにくい点は安心につながります。
笑気麻酔は吸入を止めるとすぐに効果が切れるため、使用後すぐに帰宅できることがメリットです。しかし静脈内鎮静法は手術後も麻酔効果が続くため、治療後は院内での一定期間の休憩が必要です。
全身麻酔、笑気麻酔、静脈内鎮静法は目的と作用の深さが異なるため、患者の状態や治療内容に合わせて選ぶことが大切です。
静脈内鎮静法で得られる効果・特徴
静脈内鎮静法は、強い緊張を和らげながら治療を進められる点が大きな特徴です。眠っているような状態になり、痛みや恐怖心が抑えられるため、長時間の処置も受けやすくなります。
それぞれの特徴について詳しく説明します。
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眠っているような状態で
治療が受けられる静脈内鎮静法は、点滴で鎮静薬を体に入れることで、自然に力が抜けた状態になり、治療中の緊張が大きく和らぎます。浅い眠りに近い状態となり、医師の声には反応でき自発呼吸もできるものの、治療に対する不安や刺激をほとんど意識しません。
薬剤の作用によって治療中の記憶が残りにくく、処置時間が短く感じられます。実際の治療時間が1〜2時間でも、感覚としては数分に感じる患者が多いと言われています。
さらに、身体がふわりと緩んだような感覚になり、リラックスした状態で治療が進みます。全身麻酔とは異なり完全に意識を失うわけではないため、体への負担も小さく、日帰りで受けられます。 -
痛み・恐怖心・嘔吐反射を
軽減できる静脈内鎮静法は、痛みや不安を感じにくくする作用があり、歯科治療が苦手な患者でも落ち着いた状態を保てます。歯科音が苦手な患者や過去の経験で緊張しやすい患者でも、気持ちが安定しやすくなります。
喉まわりの筋肉の緊張がやわらぐため、嘔吐反射が強い患者にも向いています。型取りが苦手な患者でも反応が出にくく、治療中に不快感が起こりにくい点が特徴です。
また、痛みや緊張が抑えられることで、ストレスによる血圧や脈拍の変動が起こりにくくなります。高血圧などの持病がある患者にとって、状態が心配しやすい環境で治療を受けられる点は安心材料になります。 -
長時間・複数本の治療も可能
静脈内鎮静法は、集中して治療を進めやすい状態になるため、通常では数回に分けて行う処置を1回にまとめやすくなります。長時間口を開ける負担が軽減され、顎の疲れや不快感が出にくい点が大きなメリットです。
虫歯治療を複数本まとめて行うケースや、親知らずの抜歯を同日に行うケースにも向いています。治療を短期間で終えたい患者や、通院回数を減らしたい患者にも適した方法です。
さらに、患者が動きにくい状態になるため、歯科医師がより集中して処置を進められます。歯科用顕微鏡を使用する精密治療でも細かな部分にしっかりアプローチできます。
静脈内鎮静法のメリット
歯科治療における静脈内鎮静法のメリットは「患者様の治療中の不安感を大きく減らすことができる」「治療の精度を高めることができる」の2点があります。
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患者様の治療中の不安感を大きく減らすことができる
静脈内鎮静法は、強い緊張や恐怖心を和らげ、治療中のストレスを大きく減らせる点がメリットです。歯科恐怖症の患者様はもちろん外科的処置に恐怖を覚える方などでも、気持ちが落ち着いた状態で処置が進みます。
また、不安が少なくなることで血圧や脈拍が安定し、突然の緊張反応が起こりにくくなります。以前にパニック症状が出た経験がある患者や、診療室の環境で強く緊張してしまう患者にとって、体の負担を軽くできる方法です。 -
治療の精度を高めることができる
身体がリラックスした状態になると患者の動きが少なく、歯科医師が集中して作業できる環境が整います。嘔吐反射が出にくくなる点も処置の進行を助けます。
そのため、治療の精度が高まり、治療の成功率を引き上げることはもちろん複数の処置を一度に進めやすくなります。結果として通院回数を減らせる可能性があり、忙しい患者にとって大きな利点になります。
静脈内鎮静法の
デメリット・注意点
静脈内鎮静法には、心身の緊張を軽くし治療の進行をスムーズにする強みがある一方で、薬剤を使用するため一定の注意点があります。以下では、事前に理解しておきたい内容について説明します。
- 行動制限がある
- 静脈内鎮静法は、薬の作用が残るため治療当日の行動に制限が生じます。自動車やバイク、自転車の運転は禁止され、安全性を確保するために治療後は休息時間が必要です。高所作業や精密な判断を伴う業務にも向かないため、当日は仕事を控える必要があります。
また、治療の前には一定時間の食事制限があります。胃の中に食べ物が残っていると、まれに吐き気が起きた場合に負担となるため、固形物や飲み物の摂取時間を守らなければなりません。
- 副作用が出る可能性がある
- 薬の作用によって、ふらつきや眠気、だるさなどが数時間続くことがあります。体質によっては軽い吐き気が出ることもありますが、通常は時間とともに改善します。
- 保険の扱いが変わる
- 静脈内鎮静法は治療内容によって保険の扱いが変わります。親知らずの抜歯など保険が使える範囲であれば負担が少なく済む場合もありますが、インプラント治療など自費診療と組み合わせる場合は麻酔も自費扱いとなり、費用が数万円かかることがあります。
- 適応できない場合がある
- 心臓や肺の持病が重い患者、妊娠中の患者、特定の薬剤にアレルギーがある患者は適応できない場合があります。点滴で薬剤を入れるため、血管が極端に細い場合や、針の使用に不安が強い場合には別の鎮静法を検討することがあります。
よしひろ歯科クリニックの
静脈内鎮静法の特長
よしひろ歯科クリニックでは、静脈内鎮静法を安全かつ快適に受けられる環境を整えています。経験豊富な医師による管理と通いやすい立地により、落ち着いた気持ちで治療に臨めます。以下では、安心できる管理体制とアクセス性について説明します。
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安全管理体制と経験豊富な医師
静脈内鎮静法を適切に行うためには、薬剤の扱いや全身状態の変化に詳しい医師が管理することが重要です。よしひろ歯科クリニックでは、静脈内鎮静法に藤原先生(歯科麻酔学会 専門医師)が担当し、治療中の状態を細かく観察しながら進めます。
治療中は血圧や脈拍、酸素飽和度などをモニターで常に確認し、変化があればすぐに対応できる体制を整えています。緊張しやすい患者でも安心できるように、治療前に健康状態や既往歴を丁寧に確認し、無理のない方法で進行します。
また、長時間の処置を行う場合でも、体の負担が少なくなるよう薬剤の量や投与スピードを調整し、安定した状態を維持します。歯科恐怖症の患者や血圧の変動が心配な患者もゆったりした気持ちで治療に集中できる環境です。 -
東京・品川で通いやすい立地と診療体制
よしひろ歯科クリニックは品川駅から電車で15分の立地にあり、遠方からでも来院しやすい点が特長です。公共交通機関を利用しやすく、治療当日に運転ができない静脈内鎮静法でも無理なく来院できます。
診療時間や予約枠にも柔軟性があり、忙しい患者でも通院スケジュールを組みやすい環境です。長時間の治療が必要な場合には専用の時間を確保し、集中して治療を進められる体制を整えています。
また、通院回数を減らしたい患者への配慮として、複数の治療を同日にまとめて行える準備も行っています。仕事や家庭との両立を考える患者にとって負担が少なく、安心して治療の計画を立てられます。
静脈内鎮静法による治療の流れ
静脈内鎮静法は、事前の確認から治療後の休憩まで、安全性を確保しながら進められます。
事前カウンセリングから治療終了後の回復までの流れを以下で紹介します。
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事前カウンセリング・検査
安全に静脈内鎮静法を行うためには、事前の情報収集と健康状態の把握が欠かせません。問診では既往歴やアレルギー、服用中の薬を確認し、治療プランに影響する要素を整理します。
治療内容や費用についても丁寧に説明し、患者が安心して準備できるように時間をかけて案内します。必要に応じて血圧測定や検査を行い、麻酔に影響が出ないかを確認します。
治療前に食事制限が必要な理由や、当日の服装・帰宅手段についても具体的に説明します。薬の作用が残るため、治療後の運転ができない点や、安全に移動するためのサポート体制についても確認します。 -
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治療当日(治療前)
来院後は体調を最終確認し、静脈内鎮静法の準備に入ります。血圧や脈拍、酸素量を測定して、その日の状態に問題がないかをしっかりとチェックします。
点滴ルートの確保を行い、スムーズに薬剤を流せる状態を整えます。処置前には心電図や血圧計を装着し、治療中の全身状態を継続的に見守るためのモニタリングを開始します。
専門の医師が常に状態を確認しながら進めるため、不安を感じやすい患者でも落ち着いて治療を受けられます。 -
3
鎮静・治療開始
薬剤が体に入ると数分で意識がぼんやりし、身体の緊張がゆるんでいきます。ほろ酔いに近い感覚や、眠り始めのような心地よさがあり、自然と力が抜けた状態になります。
意識が和らいできたら、必要な部位に局所麻酔を行います。局所麻酔の刺激を感じにくく、痛みの記憶が残りにくい点も静脈内鎮静法の特徴です。
治療中は完全に眠る場合もあれば、声かけに反応できる状態で進む場合もありますが、不安や痛みが強く出ることはほとんどありません。身体の動きが少ないため、歯科医師が集中して処置を行える環境が整います。 -
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治療終了
治療が終わると薬剤の投与を止め、少しずつ意識が戻ってきます。短い時間で頭がはっきりしていきますが、すぐに動き出さず安静に過ごします。
院内のリカバリースペースで30分〜1時間ほど休憩し、ふらつきや血圧の変動がないか確認します。体の状態が安定していることを見届けてから帰宅する流れとなります。
帰宅後の過ごし方や注意点も丁寧に説明し、安心して日常に戻れるようサポートします。
静脈内鎮静法の費用について
静脈内鎮静法の費用は、1回あたり99,000円(税込)になります。
静脈内鎮静法は歯科治療とは別に料金がかかるため、インプラント治療や複数の処置を同日に行う場合には、静脈内鎮静法の費用が治療費とは別に加算されます。
不明点があればカウンセリング時に詳しく案内し、患者様の負担がわかりやすい形で治療を進められるよう配慮しています。
静脈内鎮静法に関するよくある質問
静脈内鎮静法に不安を感じる患者が多いため、よくある質問をまとめています。
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- 本当に眠っている間に終わりますか?
- 静脈内鎮静法を使用すると、治療が短く感じられ、ほとんどの患者が「気づいたら終わっていた」と実感します。薬剤が作用すると浅い眠りのような状態になり、周囲の刺激に反応しにくくなります。
完全に意識を失うわけではありませんが、医師からの声かけに応じられる程度の反応は残ります。それでも治療中の記憶はほとんど残らず、音や振動を意識することがほぼありません。
健忘作用があるため、治療後に振り返っても詳細を覚えていない患者が多く、治療への不安が強い方でも落ち着いた気持ちで受けられます。
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- 治療後はすぐ帰れますか?
- 治療後すぐの帰宅はできません。薬剤の効果が残るため、院内で一定時間の休憩が必要です。薬の投与を止めると数分で意識が戻ってきますが、ふらつきや眠気が少し続くため安全確認が欠かせません。
30分から1時間ほど休み、血圧や歩行状態が安定しているかを医師が確認します。体調に問題がなければ帰宅となります。
静脈内鎮静法を受けた日は判断力が低下しているため、車やバイク、自転車の運転は禁止です。公共交通機関の利用や家族の付き添いを事前に準備する必要があります。
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- 副作用やリスクはありますか?
- 適切な管理のもとで行えば、安全性の高い方法ですが、一時的な症状が出ることがあります。代表的なものとして、軽いふらつきや眠気、倦怠感などが挙げられます。いずれも数時間で落ち着くことが一般的です。
点滴の部位に違和感や軽い痛みが出る場合もありますが、大きな問題につながることはほとんどありません。
まれに呼吸が浅くなることがありますが、治療中は常にモニターで状態を確認し、医師が調整しながら進めるため、安全を保つことができます。
薬剤に対するアレルギー反応が起こる可能性も完全には否定できませんが、事前の問診と健康状態の確認を徹底することでリスクを抑えています。アレルギー歴や持病について正確に伝えることが大切です。
歯科治療が怖い方へ|まずはご相談ください
歯科治療に強い不安がある方でも、静脈内鎮静法を利用することで落ち着いた状態で治療を受けられます。恐怖心や嘔吐反射がある患者に合わせた対応を行い、安心して相談できる環境を整えています。
歯科治療に苦手意識がある患者は珍しくありません。過去の痛い経験や音への緊張、治療中の姿勢がつらいと感じるケースなど、理由はさまざまです。静脈内鎮静法は、心身の負担を減らしながら治療を進められる方法で、眠りに近い落ち着いた状態を維持しながら歯科処置を行えます。
よしひろ歯科クリニックでは、不安の程度や体調に合わせて丁寧に説明し、無理のない治療計画を提案しています。歯科恐怖症や嘔吐反射への悩みを抱えている患者にも配慮し、事前相談の段階から安心できるよう細かな点まで案内します。
治療を避け続けることで症状が進行し、痛みや費用の負担が増えるケースは少なくありません。少しでも不安を感じている場合は、まずは相談だけでも可能です。気持ちが軽くなる方法を一緒に考え、負担の少ない治療を目指します。

